【クイニーアマン】極リッチなのに繊細ぶらず、の姿勢が逆にかわいい!


kouign amann~クイニーアマン~

主産国/フランス600kouign_amann

≪パン言葉≫

自分を守るチカラ、しなやかな強さ

≪クイニーアマンの特徴≫

クイニーアマンは、フランスブルターニュ地方の伝統菓子。ブルターニュの旧言葉ブルトン語で「クイニー」はお菓子、アマンは「バター」の意味です。イーストで発酵させた生地にバターをふんだんに練り込んで、シュガーをまぶして焼き上げます。外側はコリッ、ジャリ、中身はサクサクでありながらしっとり、という多様な食感劇が楽しくもあり

表面が砂糖とバターがキャラメル化して薄くコーティングされているだけに、ちょっとやそっとではカタチが崩れません。形状記憶のチカラ、スバラシイです。ケーキやクロワッサンとは違って、持ち運びにも気を遣わせないところなど、好感が持てますね。全身リッチな素材でありながら繊細ぶらず、自分の身は自分できっちり守る、というスタンス、しなやかな強さを感じます。実際、千切る時は、ちょっとチカラをこめる必要がありますね。内面はやわらかいけれど表面は強気、がかわいらしかったり。

バターは無塩でなく有塩を使うので、グラニュー糖の純粋な甘さに混じって、コクのあるしょっぱさも。ただ甘いだけではないクイニーアマン、脂質がどれだけ高くても、それが醍醐味とばかりにコクリッチの香りを惜しみなく放っている開けっぴろげなところも、チャームポイントといえるでしょう。日本では各コンビニでも定番のご様子。ファンの心も胃袋もがっつり掴んじゃっています。

≪パンキャラ≫

ありえない配合で偶然お菓子になったパン!
失敗の産物は、150年以上も愛され続けています。

≪クイニーアマンからのメッセージ≫

90年代、ベルギーワッフルって流行りましたでしょ。その次の人気を担ったのが、わたくし、「クイニーアマン」です。人生がまだ浅い方々は、コンビニでの対面がはじめて、なんていう人もいるかもしれませんね。

ところで、わたくし、直訳で「バターのお菓子」。では、何故パン屋さんで売られているのかって思いませんか?

それは、そもそもの誕生ルーツがパンだから。といいますか、パン屋さんの作業現場で偶然できてしまったから。小麦粉の量からして過剰量の有塩バターと砂糖の配合で作る状況になってしまったパン生地を焼いたら、おいしものができちゃった、のです。1860年代のこと。

偶然できちゃたものって、いろいろありますよね。商人が牛乳を羊の胃袋の水筒に入れて砂漠を歩いていたら偶然、固まってできたチーズ。

発酵途中のワインを瓶に詰めて放置していたら、偶然、シュワシュワになってできたシャンパン。

パンならば、過去の記事にも書きましたが「チャパッタ」もそうでした。

失敗や偶然は発明のモトですね。
しかも、失敗や偶然からできる新しいものは、意図して研究開発されたものと違って、お金があまりかかりません。
超コストパフォーマンスの良い発明品となります。

わたしたちの日常でも、失敗や偶然から、おもしろい物事に発展することは少なくありませんね。ならば、たくさんの発見や発明に出会うには、たくさん失敗したりして偶然に出くわす必要がありますね。体験するには行動。じっとしていることは、ハイコストパフォーマンスの発明を、放棄しちゃってるっことにもなるかもしれません。失敗して偶然の産物を授かる体験、たなぼた感が否めないところ、実にほほえましいです。では、まずは、いろいろやってみましょうか、失敗を恐れずに。

パン言葉とは?
パン言葉、パンキャラは個々のパンの特徴から、筆者の主観により導きだした表現です。
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