きゅうりのサンドイッチ~江國香織さん「落下する夕方」より~

きゅうりサンド01きゅうりのサンドイッチ。江國香織さんの小説「落下する夕方」で、主人公梨果(りか)が、別れた彼の恋人である華子のために作った料理として登場しています。

8年間同棲していた健吾に別れを告げられた主人公の梨果。ある日、健吾の新しい恋人、華子が梨果を訪ねてきて、何も食べてないという華子に、作った夜食が、「きゅうりのサンドイッチ」。

華子は、このサンドイッチを食べ、
「おいしいサンドイッチね」
と言い、
梨果は、
「そう、ディルが少し入っているの」
と答えます。

梨果は、淡々としたそのなりゆきに流れ、
パンにバターとサワークリームを塗りながら、思います。
別れた彼氏の女のために、いったい自分は何をしているのだろう、と。
そして、そんな自分にあきれながら、空白よりましだった、とその心情を語ります。
「ひとりで本を読むよりも健吾に近いことだった」と。

恋敵に複雑な気持ちを抱きながら、むしろ近づいてしまう。
そんなこと、あるような、ないような。
あったような、なかったような。

この物語に登場したきゅうりのサンドイッチ。パンにバターとサワークリームを塗って、ディルも入っている様子です。

とても興味深いし、何よりおいしそうなので、物語にもとづいて作ってみました。

きゅうりサンド03
<用意した材料>
(1)サンドイッチ用のパン 2枚
(2)サワークリーム 大さじ3
(3)きゅうり 1本
(4)レモン(汁)適量
(5)ディル(フレッシュハーブ)ちょっと
(6)バター パンに塗る程度
(7)塩 ちょっと

きゅうりサンド02<作り方>
(1)ディルを刻み、サワークリームに加えて混ぜておく。
(2)きゅうりを薄くスライスして、レモン汁をかけ、塩で味をととのえる。
(3)2枚のパンに、バターを塗り、(1)を塗り重ねる。
(4)(3)のパンに水気を軽く切ったきゅうりを並べ、もう一枚のパンで挟み出来上がり。
※パン耳はお好みでカットしてもしなくても)

で、これ、うま~い!
8枚切りのパンで作ってしまったけれど、
10枚切りのサンドイッチ用パンの方がいいかも!
ライ麦パンにもダンゼン合う。。。

夏は、ディルをミントにしても、爽やかかもしれません。

物語中では、コーヒーとともに華子にサービスしてましたが、個人的には、果実の甘さがある白ワインに合わせたいところ。

小説に登場するパン。どうしたって、気になってしまいます。